エンベロープをLFOとして使うのは、とても簡単です。
エンベロープのモードをSelfにセットするだけで、エンベロープの各ステージを順番にループし、LFOのように動作します。
エンベロープの各フェーダーがそれぞれのステージの時間的な長さになり、色々な波形のモジュレーションを作り出せます。
モジュレーションの各カーブポイントをランダム化することで、より人間らしいモジュレーションにできます。
手順は、ポイントを選択肢Random LとRandom Rのあマウントを設定するだけです。
これにより、ポイントの周囲に矢印が表示され、ポジションをランダムにオフセットをかけ、モジュレーションに人間的なフィールや微妙なニュアンスを加えることができます。
Left Handを利用することで、シーケンシャルボルテージソースステージや、ゲートモードなどのスイッチの値にモジュレーションをかけ、より複雑で多彩な動きをモジュレーションに加えることができます。
例えば、次のようなことができます:

例えば、次のようなことができます:
- シーケンシャルボルテージソースを使用して、コンプレックスオシレーターのピッチをコントロールしてアルペジオを作ることができます。
- 次に、Right Handのシーケンサーをオンにして、アルペジオのパターンを作ります。
- 仕上げに、Left Handでシーケンシャルボルテージソースステージの数を変えて、アルペジオに変化を付けます。
モジュールと機能に関するティップス
Buchla Easel Vは特殊なシンセで、他のシンセと比べると難解なところがあります。ここで、知っておくと便利なことをいくつかご紹介します。
Buchla Easel Vはモジュラーシンセですので、このシンセでの音作りにはCV(コントロールボルテージ)がつきものです。
そのため、音を作るには、パネル上でパッチングをする必要があります。
動作の理解のため、以下をご覧ください。




そのため、音を作るには、パネル上でパッチングをする必要があります。
動作の理解のため、以下をご覧ください。
カラー別のパッチベイの機能
> カラー |
アウトプット / インプット | 機能 / コメント |
ブルー |
アウトプット | シーケンサー |
ホワイト |
アウトプット | ランダムボルテージジェネレーター |
オレンジ |
アウトプット | エンベロープジェネレーター |
イエロー |
アウトプット | パルサー |
パープル |
アウトプット | チャンネルプレッシャー |
ブラック |
インプット | ゲート1のレベル ゲート2のレベル コンプレックスオシレーターの音色 コンプレックスオシレーターのピッチ モジュレーションオシレーターの周波数 モジュレーションオシレーターのレンジ パルサー インバーター キーボードインプット 注:モジュレーション量は、上記インプットのフェーダーで設定します。 |
例外:
- MIDI Connections:ノートデータ、ベロシティ、ホイールの各MIDIメッセージは、CVに変換されます。
- MOD CVアウト:モジュレーションオシレーターのCVを出力します。
- インバーターアウト:インバーターに入力した信号を反転させたものを出力します。
シーケンシャルボルテージソース:3〜5ステップのシーケンサーで、次のような出力があります:
- CVアウトからシーケンスのCVを出力します。 (CVは5つのスライダーでコントロールします)
- 各モジュールのトリガーを"Sequencer"にセットするとゲート信号を出力します。
注
パルスシーケンススイッチは、トリガー選択がシーケンサーに設定されているモジュールに出力するゲート信号のオン/オフ切り替えができますが、シーケンサーのCVアウトには影響しません。
パルサー:色々なソースからクロック成分を取り出してトリガーのソースになります。キーボードやシーケンサーをソースにすることもできれば、パルサー自身をソースにすることもできます。
- 周期が早い場合、出力されるトリガーは非常に短いものになります。
- 周期がゆっくりのときは、出力電圧がノコギリ波のような変化をし、パーカッシブな音を作るのに便利です。
エンベロープジェネレーター:一般的なエンベロープとは異なります。
- アタック / サステイン(ホールド) / ディケイ という構成です。
- サステインステージでのCV出力は、常に最大になります。
- CV出力のレベルは、出力先モジュールのモジュレーションインプットのフェーダーで調整します。
3つのモードがあります:
- Sustained:キーを押している時間と、Sustainスライダーの設定値の合計が、サステイン(ホールド)タイムになります。
- Transcient:サステインタイムは、Sustainスライダーでのみ設定できます。(パーカッシブな音作りに非常に便利です)
- Self:アタック、サステイン、ディケイの3つのステージ間を順番にループし、複雑な波形のLFOとして使用できます。(Transientモードでは、サステインステージの時間的な長さは、Sustainスライダーで設定します)
ランダムボルテージジェネレーター:Music Easelは、ランダムなモジュレーションを非常に重視しています。
4つのアウトを備えたランダムボルテージジェネレーターがあるのも、そのためです。
4つの各アウトからは、それぞれ異なるランダムCVを出力します。
(そのため、あるアウトと全く同じランダムCVが必要なときは、そのパッチポイントからコピーを作る必要があります。)
Music Easelは、2つのオシレーターを内蔵しています。
Le Complex oscillator:メインのオシレーターで、ウェーブフォールディングにより音色を変化させることができます。 (Arturia BruteシンセサイザーのMetalizerと似ています。)
MODインプットにソース(エンベロープジェネレーターや、同種の周期的な信号など)をパッチングしてComplex Oscillatorの音色を変化させる場合、モジュレーションは、マニュアルスライダーで設定したポイントから始まります。
その後、このポイントから上昇し、モジュレーションのサイクルが終わると、スタートポイントに戻ります。
Modulation oscillator:デフォルト状態では、モジュレーションオシレーターはコンプレックスオシレーターと内部接続されています。
ですが、次のことができます:
Le Complex oscillator:メインのオシレーターで、ウェーブフォールディングにより音色を変化させることができます。 (Arturia BruteシンセサイザーのMetalizerと似ています。)
MODインプットにソース(エンベロープジェネレーターや、同種の周期的な信号など)をパッチングしてComplex Oscillatorの音色を変化させる場合、モジュレーションは、マニュアルスライダーで設定したポイントから始まります。
その後、このポイントから上昇し、モジュレーションのサイクルが終わると、スタートポイントに戻ります。
Modulation oscillator:デフォルト状態では、モジュレーションオシレーターはコンプレックスオシレーターと内部接続されています。
ですが、次のことができます:
- Mod CVを他のモジュールにパッチングすることができます。
- Low-pass GateモジュールのGate 2 SourceをFrom Mod Oscillatorにセットすることで、音源として使用できます。
モジュレーションオシレーターは、Rangeスイッチを切り替えることで、オーディオレンジの高周波オシレーターとしても、オーディオレンジ以下の低周波オシレーター(LFO)としても使用できます。
注
Rangeスイッチが"low"のときは、クォンタイズは使用できません。
キーボードセクションは、次の信号を出力します:


プリセットボルテージソースのプリセットが0以外に設定されている場合、その設定値でキーボードからのCVがオフセットされます。

- ゲート:トリガー選択を"Keyboard"にセットしたモジュールにゲート信号を供給します。
- ピッチ:キーボードスイッチを"on"にセットしたオシレーターに、ピッチ信号を出力します。
プリセットボルテージソースのプリセットが0以外に設定されている場合、その設定値でキーボードからのCVがオフセットされます。
- プレッシャー:お使いのMIDIキーボードがチャンネルプレッシャー(アフタータッチ)に対応している場合、プレッシャー信号はパープルのアウトプットから取り出せます。
Buchla Easel Vのアウトプットは、2つのローパスゲート(Gate 1と2)と、2つのボリュームコントロール(Chan AとB)でコントロールされます。

2つのローパスゲートは、音量をコントロールするVCAと、レゾナンスのないローパスフィルターの両方の機能があります。
音を出すには、このゲートを開く必要があります。
ゲートを開くには、次の2つの方法があります:
ローパスゲートのディケイは、エフェクトセクションから調整することができます。
ゲート2のオーディオソースは、次の2つから選択できます:

ゲート1を選択すると、ローパスゲート1の信号はローパスゲート2では反転します。そのため両方をミックスすると、位相の干渉が発生することがあります。
2つのローパスゲートは、音量をコントロールするVCAと、レゾナンスのないローパスフィルターの両方の機能があります。
音を出すには、このゲートを開く必要があります。
ゲートを開くには、次の2つの方法があります:
- 右側のフェーダーを上げる:この場合、音はフェーダーを下げるまで出続けます。音が出ると、イエローのLEDが点灯します。
- CVを入力させる:そのためには、CVソースをパッチングしてモジュレーション量をフェーダーで設定します。CVが入るとゲートが開き、アウトプットLEDが点灯して音が出ます。
注
ローパスゲートのディケイは、エフェクトセクションから調整することができます。
ゲート2のオーディオソースは、次の2つから選択できます:
- プリアンプ
- MODオシレーター
- ゲート1
注
ゲート1を選択すると、ローパスゲート1の信号はローパスゲート2では反転します。そのため両方をミックスすると、位相の干渉が発生することがあります。
Music Easelは、キーボードが非常に重要な役割を担う、素晴らしいパフォーマンスシンセサイザーです。
Buchla Easel Vはソフトウェアですので、それを補うためにLeft & Right Handセクションを搭載しました。
複雑すぎますか? Left & Right Handの各セクションは、それぞれの右上部分にあるOn/Offボタンで機能のオン/オフを切り替えることができます。
Buchla Easel Vはソフトウェアですので、それを補うためにLeft & Right Handセクションを搭載しました。
- Left Handセクションでは、複雑なCVカーブを作ることができます。
- Right Hnadセクションは、モノフォニックかポリフォニックのシーケンスを出力するシーケンサーです。
注
複雑すぎますか? Left & Right Handの各セクションは、それぞれの右上部分にあるOn/Offボタンで機能のオン/オフを切り替えることができます。
Gravityは、Left & Right Handセクションに続く第3の"ハードウェア補完"セクションです。

Gravityは、小さなX/Yモジュレーションワールドで、ボールを発射すると平面上で跳ね返り、そこに設置されたオブジェクトに当たって相互作用を引き起こします。
これにより、モジュレーションとランダム性の可能性は無限になります。
ボールの軌道に変化をつけるのに使用できるオブジェクトは、次の通りです:

(Gravityも、Left & Right Handと同様、右上のOn/Offボタンで機能のオン/オフを切り替えることができます。)
Gravityは、小さなX/Yモジュレーションワールドで、ボールを発射すると平面上で跳ね返り、そこに設置されたオブジェクトに当たって相互作用を引き起こします。
これにより、モジュレーションとランダム性の可能性は無限になります。
ボールの軌道に変化をつけるのに使用できるオブジェクトは、次の通りです:
- Horizon:Gravityのスペースの境界をHorizonと呼びます。ボールはそこで跳ね返り、Impact Gate機能を使えばその瞬間にトリガー信号を発生させることもできます。
- Repellers(イエロー):ボールがリペラーの力場に入ると、リペラーの反射力でボールの軌道が反対方向に変化します。
- Planets(ブルー):ボールが惑星の重力圏に入ると、ボールの軌道が惑星に吸い寄せられるように変化します。
- Walls:壁は大きさを変えることができ、水平面と同じようにボールが当たるとトリガーを発生させることができます。
- Wormholes:A点からB点にボールがテレポーテーションするワームホールです。
(Gravityも、Left & Right Handと同様、右上のOn/Offボタンで機能のオン/オフを切り替えることができます。)
その他のご質問がありましたら、 こちらへご連絡ください