オーディオのコンプレッションとは、オーディオ信号のダイナミックレンジを圧縮するということです。
コンプレッションは音楽制作のあらゆる段階で使用されます。
クリエイティブで積極的な音作りとして使われることもあれば、ミックスやマスタリングのツー ルとしてダイナミクスの調整やより迫力のあるミックスにするために使用することもあります。
回路に使用しているテクノロジーの違いによってコンプレッサーには機種ごとに独特の仕様や キャラクターがあり、それによって特定の用途に非常に便利だったり、サウンドの変わり方が 独特なものもあります。
そのためプロデューサーやエンジニアの好みや状況によって使い分けることができます。
Comp VCA-65のメインパネルのパラメーターを簡単にご紹介します。
Threshold
コンプレッションを開始する入力レベルを設定します。
入力レベルがここで設定したレベルを超えるとコンプレッションがスタートします。
Compression
入力信号にどれだけコンプレッションをかけるかを設定します。
設定値を高くすると圧縮比が高くなり、より強いコンプレッションになります。
Attack
入力信号のレベルがスレッショルドを超えてからコンプレッションがかかるまでの時間を設定します。
Release
入力信号のレベルがスレッショルドを下回ってからコンプレッショ ンが解放されるまでの時間を設定します。
Auto
オンの場合、入力レベルに応じてアタックとリリースタイムが調整されます。
この機能は、コンプレッション効果が目立せずより自然なコンプレッションにしたいときに非常に便利です。
Output Gain
コンプレッションにより低下した全体音量を、このOutputノブで補正します。
Limiter
本プラグインからの出力レベルを調整するリミッターです。これにより多彩な音作りができます。
Mix
入力音 (ドライ) とエフェクト音 (ウェット) のミックスバランスを調整します。
ドライ音をミックスすることでパラレルコンプレッションを簡単に作ることができます。
アドバンストパネルのパラメーターを簡単にご紹介します。
Source
コンプレッションをトリガーするソース信号を選択します。
入力音 (Internal) か別のトラック (External) あるいはMIDIトリガー (Manual) も選択できます。
Detection Mode
コンプレッションをトリガーするサイドチェイン信号のモノ/ステレオなどを切り替えます。
Time Warp
サイドチェイン信号の検出タイミングを調整します。
"SNAP"側に回すと信号検出を先読みするルックアヘッドとなり、"LOOSE"側に回すと信 号検出のタイミングがリアルタイムよりも遅くなります。
Equalizer
サイドチェイン信号にイコライザーをかけることができます。
主に低音域をカットすることでキックやベースによるパンピング効 果を避けたり、あるいはコンプレッションをトリガーする帯域を絞るといった用途があります。
Listen
サイドチェイン信号をモニターするためのスイッチです。サイドチェイン信号にEQをかけるときに便利です。
Compression Range
ゲインリダクション量に制限をかけて一定レベルを超えるコンプレッションを防ぎます。
A/B機能は、ロードしたプリセットの2つのスナップショットを比較できる機能です。
コンプレッサーの効果は非常に微妙な場合が多いため、設定を微調整するのにこの機能が便利です。
使い方は、基準となる状態からスタートしてコンプレッションのセッティングを作ります。 次に基準となる状態からセッティング後の状態にジャンプすると、基準となる状態での設定 を消去することなくその音の違いをチェックできます。
AのセッティングをBに、あるいはBからAにコピーしたいときは、コピーしたいスナップシ ョット (コピー元) を選択して矢印をクリックします。
これによりスナップショットのセッティングがもう一方にコピーされます。
Note:矢印は常に、現在選択しているスナップショット (コピー元) からもう一 方のスナップショット (コピー先) を挿しています。